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冊封体制(さくほうたいせい)

中国王朝の皇帝が周辺諸民族の君主を封ずることで形成された東アジア世界の国際関係をいう。冊封とは冊(竹簡(ちくかん)を組み合わせた文書)によって封建する意味。国際関係の特徴は,第一に対等ではなく上下の君臣関係であること,第二に冊封された君長には,毎年,あるいは数年に1回使者を派遣して朝貢の義務があること,第三に中国側あるいは冊封国側から軍事的な要請があれば,双方は出兵する義務があることがあげられる。もちろんその形は時代によって異なり,漢,唐の時代には中国王朝を中心とした一元的な冊封体制であったが,その間の魏晋南北朝時代は,南北王朝が双方に冊封体制を競った。宋元時代には北方民族の優勢下で冊封体制は消滅するが,明清時代に復活する。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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