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蔡倫(さいりん)

Cai Lun ?~107頃 後漢の宦官(かんがん)で,紙を考案した人物として知られる。尚方令(しょうほうれい)として帝室調達の器物の製作をつかさどり,105年紙を和帝に献上した。当時書写の材料として用いられていた絹は高価であり,竹簡(ちくかん)もかさばるので,樹皮,麻くず,魚網を混ぜ合わせた紙をつくった。蔡侯紙として知れ渡る。しかし彼は最初の紙の発明者ではない。前漢時代の紙が,甘粛省の居延(きょえん)や敦煌(とんこう)の城塞の遺跡から出土している。蔡倫は前漢時代の麻紙のような粗末な紙を改良したのであろう。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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