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彩文土器(さいもんどき)

素焼(すやき)の土器に色で装飾文様をつけたもの。新石器時代から初期金属器時代に見出される。赤色ないし白色の土器表面に酸化鉄による赤ないしは黒の文様をつけ,幾何学文様あるいは人物・動物を描く。発生地はおそらくエジプトかメソポタミアであろう。地中海,黒海,イランが最も盛んで,メソポタミアのハラフ彩陶,クレタ彩陶,またはトリポリエ彩陶はことに著名である。中国においても,河南省,陝西(せんせい)省あるいは甘粛省に盛行し,鉢,椀(わん)の形をした赤色磨研土器が多い。文様は,黒または暗紅色で,ときにはスリップ(化粧土)をかけた上に施文したものもある。なお北アメリカ,中央アメリカ,南アメリカでも独特の彩文土器をつくりだした。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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