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全体主義(ぜんたいしゅぎ)

totalitarianism 個人の自由を否定し,国家ないし社会の全体を一元的に支配統制することを原理とする政治思想,もしくは政治形態。絶対主義,専制主義と異なり,近代社会の民主主義に対抗して,特に第一次世界大戦後に現れた。独裁制を採り,民族ないし国家の非合理的美化を行い,対外的には侵略的で,国内的には権力によるいっさいの社会活動の暴力的統制がなされる。ナチズムがその典型とされるが,ファシズムや日本の高度国防国家も全体主義を称した。1930年代から第二次世界大戦時まではこれら3国に限定されていたが,戦後になり,ナチズムと並んでソ連の共産主義体制をも全体主義とみる見方が欧米学界に広がった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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