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絶対主義(ぜったいしゅぎ)

absolutism 近代初期のヨーロッパに現れた王権の強い政治体制。15~16世紀に王権が官僚制や常備軍によって中央集権を進めるとき,当時の王政理論は王権が法から自由で絶対的だとしてこれを正当化したが,恣意的な専制とは区別した。王権をこえる「基本法」が存在するという議論だが,その実際はあいまいだった。当時の国民は貴族,聖職者,平民などの身分団体(社団)に組織され,その団体はそれぞれ特権を与えられて自由を保障されていたから,その団体の代表会議(フランスでは三部会)と王権との関係が,国政上の大問題となり,それが各国で政治的不安定,さらには革命の原因にまでなった。王権が代表会議を無視するまでに強力なとき絶対王政といい,それに制約されるとき制限王政という。王は神の代理人だとの王権神授説をとったルイ14世期のフランスが,絶対主義の代表。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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