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新石器時代(しんせっきじだい)

neolithic age 石器時代後期の文化で,磨製石器を指標とする。旧石器時代における採集経済ではなく,農耕・牧畜経済を基盤とした生産経済を営むことが多い。氷河の後退に伴い,湿潤な森林地帯の出現とともに,新たな環境に最初に順応したのは西アジアの住民である。前9000年頃,オリエントにおいてはすでに農耕が行われていた。パレスチナのナトゥフは洞窟遺跡であるが,細石器が鎌に使用されている(ナトゥフ文化)。さらに,イラクのカリム・シャヒールでは石鎌,挽臼(ひきうす),石鍬の類が発見されている。だが,真の農耕を示す遺跡としての最古のものは,イラクのジャルモ,パレスチナのジェリコ,エジプトのターサやファユームである。穀物は主に小麦,大麦。このような食糧生産技術は,磨製石器,土器,織物などの発明と一緒になって,生活文化,社会組織,精神文化のうえに大変革をもたらした。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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