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女性参政権運動(じょせいさんせいけんうんどう)

women's suffrage 近代の議会制度は身分や階級,民族や人種による制限がある場合がほとんどであったが,それ以上に性別による制限は強固で,女性には長らく選挙権も被選挙権もまったく認められていなかった。そのためこれを是正するべく欧米を中心に19世紀中葉頃から女性参政権獲得を求める運動が始まった。ニュージーランド(1893年),オーストラリア(1902年),フィンランド(06年),ソ連(17年),カナダ,ドイツ(18年),アメリカ(20年),イギリス(28年),インド(35年)など,運動の高まりと第一次世界大戦での女性の貢献がはずみとなっていち早く認められた国もあるが,フランス(44年),日本,イタリア(45年),ベルギー,イスラエル,韓国(48年),中国(49年),ギリシア(52年),イラン(63年),イラク(64年),スイス(70年),リヒテンシュタイン(84年)など,多くは第二次世界大戦以後のことである。20世紀初めに至る運動の時期は,1960年代以降のフェミニズム運動との対比のなかで第1波フェミニズムと呼ばれているが,この運動はその象徴とみなされている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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