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ジャーギール

インド,ムガル帝国などの官僚に与えられた給与地。同朝の官僚には,禄位(マンサブ)に応じて給与の額と保持すべき騎兵の数が定められていたが,その給与は一般に現金でなくジャーギールの形で与えられた。厳密にはこれは領地ではなく,給与額にみあう地租の徴収のみを認められた土地にすぎず,その土地の行政は地方行政官が行った。官僚の土着化を防止するために,ジャーギールは一般に3~4年ごとに所替えされたが,それがかえって官僚の農民に対する無責任な収奪を促したともいわれる。なお,ムガル帝国に服属するラージプート諸王などに安堵された所領は世襲であった。これら諸王やムガル帝国末期の各地の独立政権も,それぞれ領内にジャーギール制を導入し,王権の強化を図った。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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