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市民〔アンシャン・レジーム〕(しみん)

bourgeois アンシャン・レジーム下の市民(ブルジョワ)は元来,都市(ブール)の住民を意味し,中世都市の自治を担った。近世以降は,商工業の発展によって富裕となった市民層を特にブルジョワと呼ぶようになり,大商人や金融業者をはじめ,土地を購入して地代生活を送る者,商工業者,法律家などが富と教養を有する上層市民層を形成した。彼らはサロンや文芸協会などを通して互いのネットワークを広げ,特権層の開明的な部分とも交流して政治や社会問題への関心を深めた。のちにフランス革命を指導することになるのはこの市民層である。他方で都市には,数の上で圧倒的な割合を占める職人,小商人,貧民など中・下層の市民がおり,職場や生活の場で互いに連帯意識を保ちながら,独自の民衆世界を形成していた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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