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朱熹(しゅき)

生没 1130〜1200 南宋の学者。婺源(ぶげん)県(江西省)が本籍だが,生まれ育ったのは,尤渓(ゆうけい)県(福建省)。宋学の大成者。朱子は尊称。彼の哲学(理気説)は,宇宙本体たる太極(たいきょく)(理)が実在して理・気となるという二元的存在論に立ち,これを道徳原理に応用して性即理(人欲を去って天理を尽くす)の修養を説いた。その学問方法として格物致知(かくぶつちち)なる主知主義を唱えた。従来の聖典たる五経の上に四書を置き,実践的には名分節義を主張した。『通鑑綱目』(つがんこうもく)を著し,君臣父子の道徳を絶対視して宋の絶対君主制を支えた。朱子学は周敦頤(しゅうとんい),程頤(ていい),程顥(ていこう)の学派と欧陽脩(おうようしゅう)ら歴史学派を総合して宋学を集大成したもので,元朝以後,官学に採用され,中国,朝鮮王朝,日本の国家理念に影響した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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