トロヤ

Troia[ギリシア],Troy[英],Troja[ドイツ] ホメロスの詩でギリシア連合軍の10年にわたる攻撃を受けたと描かれる城市。別名はイリオン(Ilion)。アナトリア北西隅に近いヒサルリクのトロヤ戦争伝説の故地で,シュリーマンの発掘によって科学的研究が始まり,今日までの発掘調査の結果,9層が区別されている。このうち第6層は石灰石の城壁をめぐらし,南に大門があり,壮大な城砦があったことを示しているが,この層はおそらく地震で破壊され,そのあとに再建された第7層Aがホメロスに歌われる炎上したトロヤ王プリアモスの城砦に比定される。第8層は前800年頃,第9層はヘレニズム時代からローマ時代にかけてのものである。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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