ドラコンの法(ドラコンのほう)
ドラコンによって公布されたと伝えられるアテネ最古の成文法。ソロンによって廃されたが,殺人に関する規定は残され,前409年に刻まれた碑文がのちに出土して,内容の一部が伝わっている。無意志殺人を犯した者は,有罪の場合,国外に退去すべきこと,被害者の親族が全員一致して和解を認めるならば帰国を許されることなどを規定する。私的な復讐を規制し,ポリス公権力による国内秩序の維持に向かって歩を進めたものとして,この法はアテネ国制史上,少なからぬ意味を持つ。法文はまたポリス市民団の内部組織についての貴重な史料でもある。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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