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トラキア

Thraki[ギリシア],Trakija[ブルガリア],Trakya[トルコ] バルカン半島の南東部地域。時代によりそのさし示す領域は異なるが,マリツァ川流域のトラキア平原,エーゲ海,黒海に囲まれたギリシア,トルコ,ブルガリアに広がる地域。トラキア人諸族が先住民として住んでいたが,前6世紀以降ギリシア人が植民市を建設し,前2世紀以降ローマが進出し1世紀には属州となった。ビザンツ帝国時代にはバルカン半島で最初にセマ制度が導入された。以後オスマン帝国期も含め帝都の食糧供給地としても重要な位置を占め,中心都市エディルネ,フィリベは繁栄した。1878年ベルリン会議で北部が東ルメリア自治州となると,残された地域がトラキアと呼ばれ,バルカン戦争後東部はトルコ領,西部はブルガリア領となったが,第一次世界大戦後西トラキア南部はギリシア領となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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