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独ソ戦(どくソせん)

ナチス・ドイツが独ソ不可侵条約を破り,1941年6月22日ソ連に対して電撃的な攻撃をかけて開始した戦争(ドイツ側の一般呼称はバルバロッサ作戦。ソ連では大祖国戦争)。ドイツの同盟国イタリアやルーマニアも部隊を派遣した。当初壊滅的打撃を受け後退を余儀なくされたソ連軍は,10月までに200万人を超える兵士が捕虜となったが,モスクワ前面での戦いでもちこたえ,41年冬ようやく最初の反攻を敢行してドイツの電撃戦略を挫(くじ)いた。双方とも100万人を超える部隊を投入した1942年7月~43年2月のスターリングラード(現ヴォルゴグラード)の戦いは,包囲されたドイツ軍の破局的敗北で終わった。43年7月ドイツが戦車軍団の3分の2を注ぎ込んだクルスク会戦以後,主導権は完全にソ連軍の手に移り,ドイツ軍は焦土戦術をとりながら退却を強いられた。ベルリン包囲戦で最終的にナチス・ドイツを打倒しえたソ連側の死者は2000万人を超え,独ソ戦期間中毎日平均1万4000人もの夥しい犠牲者を出したことになる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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