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ドイツ連邦共和国(ドイツれんぽうきょうわこく)

Bundesrepublik Deutschland ナチス・ドイツの無条件降伏後,ドイツは連合軍によって分割占領されたが,英米仏の西側3カ国の占領地域において1949年に建国された戦後ドイツ国家。東の民主共和国に対し西ドイツと略称された。占領下ですでに成立していた各州の議会の代議員が,占領国の意向に従い連邦制国家を樹立する憲法(ボン基本法と呼ばれる)を制定した。州は,基本的に行政を担当するうえ,連邦の立法過程にも連邦参議院を通じて関与する。国家と市場の間には,「社会的市場経済」の原則が貫かれ,労使間における共同決定制度や社会保険を中心として構築された福祉国家制度が,社会的格差の拡大を防いだ。政党が果たす役割は大きく,キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU),社会民主党(SPD)の二大政党をはじめとする諸政党が,中道を志向する連立政権を安定して運営している。1990年の東西ドイツ統一はこの西の国家構造を旧東独地域へと拡張する形で行われ,現在は16州の連邦国家となっている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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