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海の道(うみのみち)

地中海から紅海,ペルシア湾を通り,アラビア海をへてインドに達し,さらに東南アジアから中国南部に至る海上交通路。モンスーンを利用する船による輸送は,陸上輸送よりも大量の荷物を低コストで速く運べる利点があるため,紀元前の早い時代よりこのルートの利用度は高かった。ローマの最盛期にギリシア系商人が活躍したことは,『エリュトラー海案内記』などを通じてよく知られているが,イラン系やアラブ系のムスリム商人が活動する時代になると,いよいよこのルートは発展した。インドの綿製品や胡椒(こしょう),東南アジア産の香辛料に加えて,のちに中国産を中心に大量の陶磁器が西方に運ばれたことにより,陶磁の道とも呼ばれる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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