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内モンゴル(内蒙古)(うちもんごる(ないもうこ))

Inner Mongolia 現在は中華人民共和国の内蒙古自治区をさすが,歴史的にはゴビ沙漠をへだてて南側のモンゴル人の生活空間を呼んだ。清朝時代は,外モンゴルに比べ,清朝政府の統制が厳しく,さらに漢人農民の入植が進行していた。1911年に清が滅亡すると,外モンゴルは独立を宣言し,内モンゴルでも呼応する動きがみられたが,15年のキャフタ協定で自治モンゴル領域から除外された。21年に外モンゴルで人民革命が起こると,内モンゴルでもこれに連帯をめざす内モンゴル人民革命党が結成されたが,「国共合作」の破綻とともに消滅した。32年に日本の傀儡(かいらい)国家「満洲国」ができると,内モンゴルの一部は編入されたが,西部では徳王を中心に自治運動が起こり,やがて日本の支持のもと,蒙古連盟政府,ついで39年には蒙古連合政府が成立するが,モンゴル人よりも漢人が多数派を占める日本の傀儡政権であった。45年の日本の敗北とともに,再び自治運動が起こるが,中国共産党員であるウラーンフーの指導により,47年に内モンゴル自治政府が樹立され,新中国における区域民族自治のさきがけとなるとともに,内モンゴルの再統合も形式的には達成された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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