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ヴェーダ

Veda インドの最古の文献の総称。「知識」を意味する。ヴェーダ祭式で讃歌を詠唱するホートリ祭官,祭歌を歌うウドゥガートリ祭官,祭式行為を実行するアドゥヴァルユ祭官の職掌のもと,『リグ・ヴェーダ』『サーマ・ヴェーダ』『ヤジュル・ヴェーダ』の三伝承があり,それに呪術を扱う『アタルヴァ・ヴェーダ』の伝承が加わる。各伝承は讃歌,歌詞,祭詞,呪文を集めたサンヒター(本集(ほんしゅう)),祭式の意味を解釈するブラーフマナ(梵書(ぼんしょ))とアーラニヤカ(森林書),哲学的思想を述べたウパニシャッド(奥義書)の四つのジャンルからなる。普通『リグ・ヴェーダ』『アタルヴァ・ヴェーダ』といえばそれぞれのサンヒターをさす。『リグ・ヴェーダ』の成立は前1200年頃に想定され,ウパニシャッドは前500年頃とみなされる。これらは人間の作とされず,天啓書(シュルティ)とも呼ばれる。ヒンドゥー教では『マハーバーラタ』も第5のヴェーダとみなされ,正統バラモン教の名目的な究極的な権威となる。仏教,ジャイナ教はそれを否定する。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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