1. 用語
  2. 世界史 -う-
  3. ウィーン会議(ウィーンかいぎ)

ウィーン会議(ウィーンかいぎ)

フランス革命およびナポレオンの大陸支配によって乱されたヨーロッパの秩序回復のため,1814年9月から15年6月まで,ウィーンで開催されたヨーロッパ諸国の国際会議。ロシア,オーストリア,プロイセン,イギリスの4大国が事実上の決定権を持って会議を指導したが,領土配分をめぐって諸国の利害が対立,「会議は踊る,されど進まず」と評された。15年3月ナポレオンのエルバ島脱出,帝位復帰事件を機に諸国は妥協に傾き,同年6月9日会議議定書121条が調印された。革命前の支配関係を正統と認める正統主義と,一国が突出しないようヨーロッパ諸国の勢力均衡を図ることとを二大原則としたこの議定内容は,大略次のとおり。(1)オーストリアはヴェネツィア,ロンバルディアなどを獲得,(2)プロイセンはラインおよびザクセン地方に領土を拡大,(3)ロシアはポーランドを獲得,(4)イギリスはセイロン島やケープ植民地を獲得,(5)オランダはベルギーを合併,(6)スイスは永世中立国となる,(7)ドイツ諸邦はドイツ連邦を結成,(8)イタリアではナポリにブルボン家が復活,教皇領も復旧,(9)フランスとスペインでブルボン家が復位。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう