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ウイグル

Uyghur 廻_(回鶻)(かいこつ),畏兀児(維吾爾)(ウイグル)モンゴル高原に遊牧し,のち中央アジア方面に移住,定着したトルコ民族。セレンゲ川上流域から興り,6~7世紀には突厥(とっけつ)に支配されていたが,744年にこれを滅ぼして建国し(東ウイグル可汗(カガン)国),安史の乱では唐に援軍を送るなど強盛をきわめた。ソグド人の影響のもとでマニ教を受け入れ,草原に都城を建設して遊牧社会の変容をもたらしたものの,天災と内乱に乗じたクルグズ人の侵入を受けて滅亡した(840年)。四散したウイグルは天山方面に西ウイグル王国,河西地方には甘州ウイグル王国を建てた。後者は11世紀にタングートの支配下に入った。西ウイグル王国では仏教文化が繁栄し,内陸交易も活発だった。12世紀にカラキタイの支配を受け,13世紀の初めチンギス・カンに帰順し,モンゴル帝国形成と元朝統治に文化・人材面で貢献した。16世紀までにほぼイスラーム化し,ウイグルの名は失われたが,1920年代以降オアシス住民と言語の呼称として復活した。現在,新疆(しんきょう)ウイグル自治区の主要住民である。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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