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鎌倉大仏 〜歴史とスケール、奈良大仏との比べてみると?〜

昨今人気が高まる古都・鎌倉のシンボル「鎌倉大仏」。およそ800年にわたり、変わらず穏やかな佇まいで、風雪に耐え、人々を見守ってきました。その成り立ちと変遷を、奈良の大仏との比較も交えて解説します。

波乱!? 鎌倉大仏の歴史

鎌倉大仏は浄土宗の寺院「高徳院」にある「阿弥陀如来像」で、「長谷の大仏」とも呼ばれます。奈良・東大寺の大仏と並ぶ「二大仏」の一つで、鎌倉彫刻の代表作で国宝にも指定されています。奈良の大仏が立派な大仏殿にあるのに対し、鎌倉大仏は屋外に安置される「露座の仏さま」です。

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ちなみに、高徳院は浄土宗の寺院で、かつては臨済宗・建長寺の末寺だった時期もあり、真言宗も経ています。

鎌倉大仏の歴史は鎌倉時代、3代執権・北条泰時の時代に始まります。1238年(暦仁元)に僧の浄光(じょうこう)の発願により、大仏殿造営がスタートしました。1243年(寛元元)落慶供養の法会が行われましたが、これは木造の大仏で現存するものではありません。

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しかし、その約10年後に金銅製の鋳造が始まり、これが現在の鎌倉大仏になります。最初につくられた木造の大仏は、その原型だったと考えられています。「金銅製」としましたが、現在の大仏の表面は青銅に見えます。しかし、かつては、塗金で覆われていたものと考えられているのです。今も大仏の頬に、その痕跡が見られます。

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そんな金銅製でつくられた鎌倉大仏。実は作者が不明です。運慶に源流を持つ慶派と、宋の仏師たちの両方の影響があるとされています。また、大仏を安置する堂宇は、2回破損・倒壊と修復を繰り返しました。しかし、1495年(明応4)の津波で建物が倒壊すると、現在まで露座の仏さまとなっています。

背中を丸め、下を向いているように見える大仏。それは、堂内で拝することを前提に前かがみの姿になっているのだそう。

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山あり谷ありの歴史の中、あの穏やかなお顔でじっと座られていたことを思うと、感慨が深まります。

鎌倉大仏の高さ・重さなど

鎌倉大仏を間近で見上げて感じるのは、やはりそのスケール感。仏身の高さは11.312m、台座を入れた総高は13.35m。大仏はビルの4階ほどの高さから私たちを見ていることになります。

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重さは121t。陸上自衛隊の10(ヒトマル)式戦車がおよそ3台分です。津波をはじめ、建物を壊してしまうほどの災害に、耐えてきたのもうなずけます。

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奈良の大仏と比べると?

大仏といえば、鎌倉と並んで奈良・東大寺の大仏が有名です。実は二つの大仏は、それぞれ異なる仏さまを表しています。

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鎌倉大仏は極楽浄土の仏さまである「阿弥陀如来(あみだにょらい)」です。阿弥陀如来について、『山川 日本史小辞典(改訂新版)』は次のように解説しています。

阿弥陀はサンスクリットのアミターユス(無量の寿命の意)とアミターバ(無量の光明の意)の音訳。西方にある極楽浄土の仏で,日本では,浄土教の隆盛にともない諸仏のなかでも最も多くの信仰を集めた。(『山川 日本史小辞典(改訂新版)』( 2016年, 山川出版社)より抜粋)

一方、奈良の大仏は「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」です。
毘盧遮那の解説はこうなります。

サンスクリットのバイローチャナの音訳。盧舎那・遮那とも略称し,光があまねく照らすごとく全宇宙に遍満する仏身の意から光明遍照ともいう。「華厳経(けごんきょう)」や「梵網経(ぼんもうきょう)」の教主。(『山川 日本史小辞典(改訂新版)』( 2016年, 山川出版社)より抜粋)

この二つの大仏の大きさを比較すると、奈良の大仏のほうが総高が4.68m高く、重さは倍以上です(東大寺の大仏は250t)。

スケールは奈良のほうが大きいようですが、なんとか鎌倉大仏の奈良の大仏に勝てるところはないか探してみました。

それは「螺髪(らほつ)」! パンチパーマのように丸まった仏さまの髪の毛です。螺髪の数は奈良492個に対して、鎌倉の大仏は656個あります!

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鎌倉大仏の場所と周辺情報、アクセス

鎌倉大仏は鶴岡八幡宮から南西に1km、長谷エリアに位置します。近くには、あじさいで有名な長谷寺や鎌倉文学館といった観光スポットがあり、古民家レストランなども営業する情緒豊かな地域です。

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ちょっとしたハイキングを楽しむなら、北鎌倉から高徳院のすぐ近くまで抜ける葛原岡・大仏ハイキングコースがおすすめです。最寄り駅は江ノ島電鉄の長谷駅で、そこから徒歩約7分。鎌倉駅から長谷駅までは約5分、のどかなローカル線の雰囲気を味わえます。藤沢駅からなら長谷駅まで江ノ島電鉄で約30分です。

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鎌倉駅東口バス乗り場1番から江ノ島電鉄バス、もしくはバス乗り場6番から京浜急行バスに乗り、「大仏前」停留所下車すぐ。

営業時間

4月~9月:午前8時~午後5時30分
10月~3月:午前8時~午後5時
※入場は閉門15分前まで

拝観料

一般:200 円
中・高校生・小学生:150 円
大仏胎内:1名当たり20円

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