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貫高制(かんだかせい)

中世後期,武士の所領に課した軍役などの役の基準を貫高(銭高)で表示した制度。起源は不明だが,13世紀後半,北条氏の所領に貫高表示の所領が出現した。建武政権のもとで地頭の所領からの所出を貫高で把握し,その20分の1の税を徴収することが定められた。さらに室町幕府は,地頭の所領高を貫高で把握し,その50分の1を地頭・御家人役として課した。この所領高としての貫高は,その所領からの年貢・公事(くじ)・夫役(ぶやく)などの得分を銭で換算したもので,銭納にもとづく年貢高ではない。戦国大名は,この軍役高としての貫高制を採用するとともに,検地などにより郷村の年貢高を貫高で把握し,軍役高と年貢高の両者を統一した貫高制を確立しようとするが,後北条氏を除き体制としては完成しなかった。太閤検地により,この郷村高と知行役高を統一し,米で換算した役の基準体制として完成したのが石高(こくだか)制である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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