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  2. 独立とは自分で自分の身を支配し、他人に頼る心がないことである。

独立とは自分で自分の身を支配し、他人に頼る心がないことである。

明治時代の啓蒙思想家 福沢諭吉『学問のすゝめ』

独立の気力に欠ける者は、他人に頼る。他人に頼れば、他人の顔色をうかがって他人を恐れる。他人を恐れる者は、他人にへつらう。他人にへつらう者は、立てと言えば立ち、舞えと言えば舞い、その従順なることは家で飼っている痩せ犬のごときになる。福沢諭吉の見事な人間描写である。福沢は「一身独立して一国独立す」と説いた。一人ひとりが自分で物事を考え、判断し、行動する独立の精神をもつことが、国家の独立につながる。いつの時代も、そのような独立の精神をもつ人間が集まる組織は、世の中の変遷に流されず、妥協せず、未来に向かってみずからの道を切り拓いていけるだろう。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、65ページ、2015年、山川出版社

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