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  2. 性格的な徳は、感情や行為においての超過と不足の中間(中庸)に存在する。

性格的な徳は、感情や行為においての超過と不足の中間(中庸)に存在する。

古代ギリシアの哲学者 アリストテレス『ニコマコス倫理学』

なにごとも度をこしてやり過ぎても、また、不足してもだめである。慎重になりすぎて決断できず、チャンスを逸するのは臆病であり、後先を考えずに突っ走るのは無謀、無鉄砲である。その中間、おのれの信念と熟考をベースに、適切な状況判断のもとに行動する力が勇気であろう。然るべき時に、然るべき事を、然るべき人に対して、然るべき方法で行う。すなわち先の見通しと、周囲の状況にあわせて適切な行動をとる力を、アリストテレスは中庸の徳と呼ぶ。中とは状況にあわせた適切さ、庸とは日常的なこと、つまり、中庸とは日常生活でみずからの感情や行動を状況にあわせて適切にコントロールする力、バランス感覚を習慣化して身につけることである。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、41ページ、2015年、山川出版社

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