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真に哲学をする人たちが政治的支配の地位につくか、それとも政治的権力をもっている人たちが真に哲学をするようになるか、いずれかが実現しない限り、もろもろの災いを免れることはあるまい。

古代ギリシアの哲学者 プラトン『第七書簡』

プラトンはどのようなものにも、それが追い求めるべき理想の姿があると考え、それをイデア(idea)と呼んだ。英語のidea(発想、思想)、ideal(理想)の語源である。世を渡るとは、ただ理想を夢想することではなく、また、現実のままに流されることでもない。人生や社会はどのようにあるべきか、どのようになってほしいかと願う理念をもち、それを実現するために熱意をもって行動する者が、現実を変革することができる。理想を掲げなければ、目の前の現実をどのように変えていくのか方向性が定まらない。つねにbestの理想をかかげつつ、同時に目の前の現実に真摯に取り組み、それを少しずつbetterなものへと粘り強く改善していく。政治も事業も仕事も教育も、また人生も同じであろう。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、66ページ、2015年、山川出版社

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