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ただ生きるということではなく、善く生きることこそ最も大切にしなければならない。

古代ギリシアの哲学者 ソクラテス/プラトン 『ソクラテスの弁明』

古代ギリシアでは、プシュケー(魂)は息をすることに関係し、命あるものに生命をあたえる原理、知力・気力・体力すべてをこめた人格的な中核部分をさした。ソクラテスはその魂に知恵、勇気、正義などの優れた性質、すなわち徳が備わるよう心がけ、人として優れた魂をもって善く生きよと説いた。きれいごとに聞こえるだろうか? たしかに人間には金銭欲、色欲、権勢欲がある。あって然るべきである。しかし、同時に人間として善く生きたいという欲もある。まずおのれの魂を磨き、しっかりと確立すること。魂のこもった仕事や生き方を続ければ、後からおのずと評判や地位はついてくるだろう。目先の金銭や評判だけにとらわれて、風見鶏のように右往左往する魂のぬけた仕事は長続きしない。おのれの魂のこもった生き方には、信頼という宝がついてくる。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、13ページ、2015年、山川出版社

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