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  2. 私は愛する人が、私に仕えるためではなく、自分自身のために、そして自分自身の方法で、成長し、発達することを望むのである。

私は愛する人が、私に仕えるためではなく、自分自身のために、そして自分自身の方法で、成長し、発達することを望むのである。

社会心理学者 フロム 『愛するということ』

愛はみずからが愛する人が、その人自身として成長し、発展し、みずからを開花させ、幸福になることを望む。相手が自分の思いどおりになることだけを好むのは、じつはただの自己満足、自分自身を愛している自己愛にすぎない。子どもの教育、後輩の指導において、ただ命令に従順に従わせて満足しているだけではだめである。海軍大将の山本五十六の名言、「やってみせ、言い聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」。やらせてみて、任せてみて、失敗を繰り返させながら、その人が成長するのを気長に見守り、ほめなければ、人を育たない。愛とは根気のいる、忍耐強い仕事である。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、49ページ、2015年、山川出版社

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