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今、ビジネスパーソンに 「縄文」の「大人の学び」が必要な理由

「縄文ユートピア論」を掲げるのは、三内丸山遺跡の発掘などにたずさわった縄文研究の第一人者・岡村道雄氏。環境の変化や自然災害を乗り越え、1万年以上にわたり安定した社会を循環・持続させてきた先人の知恵は、きっと現代を生きる私たちのヒントにもなるはずです。編集部が薦める「考える本」シリーズで、普段のビジネスとは少し違った脳を使ってみませんか?

新しい「縄文像」を構築する

考える本−1.png『縄文の列島文化』(2018年,山川出版社,岡村道雄著)
岡村氏は著作の中で次のように述べています。

「原始的な縄文時代像は次々に改められ、私たちの祖先が高度な生活文化と精神文化をすでに縄文時代に築き上げ、日本文化の基層を形成していた事が次々に明らかになってきた」

教科書などの知識から、多くの人が漠然と持つ縄文のイメージは、ひょっとしたら過去のものかもしれません。「縄文の列島文化」には、読者自らが考え、新しい縄文像を構築するヒントがちりばめられています。

・日本列島人はいつどこからきたのか?
・天変地異、気候変動などが縄文文化に与えた影響
・宮古島の約七千年前からの漁労史・津波被害
・里山が育んだ縄文スピリット―――自然との共生、循環・再生・持続の哲学
・縄文里山とサケ漁の重要性―――「サケマス論争」
・列島各地の地域社会・定住を支えた物流
・死に係る考古学
(目次より編集部抜粋)

本書は数ある縄文関連書の中でも、専門書のひとつに位置づけられます。わかりやすく結論がまとめられたハウ・ツー書ではなく、だからこそビジネスマンに役立つ「大人の学び」を提供できるのです。

わかりやすいコンテンツがあふれている

現代のビジネスでは、わかりやすくスピーディなコミュニケーションが求められます。どんなに素晴らしい内容の提案でも、結論を端的にプレゼンしなければ思い通りの成果を得ることは難しいでしょう。

pixta_41012428_M.jpgこの傾向は、インターネット、書籍、TV番組、情報コンテンツ全般に言えることです。
スマホやパソコンで「縄文時代」と検索すれば、10分でいくつかのサイトから総合的な情報を得られます。書店に行けば、わかりやすくまとめられた入門書、ハウ・ツー書で、もう少し詳しく縄文を知ることができます。

bookshop-2495148_1920.jpgちょっとした興味や楽しみ、または社会人としての教養として知識を得るためには十分。ときには雑談のネタにして、知的なビジネスマンを演出することもできるでしょう。

「大人の学び」で仕事脳と別の脳をはたらかせる

しかし、私たちが考える「大人の学び」には、単に知識を得ることとは違った喜びがあります。ヒントを手がかりに頭脳とハートで想像し、自分の考えを構築していく醍醐味です。

pixta_41695465_M.jpg端的な結論を素早く導くのが「仕事脳」だとすれば、それとは違った脳のはたらかせ方が必要。そして、「大人の学び」を通して、ふだんとは違う脳を鍛えることはビジネスにも役立つはずです。

むしろ、より本質的に物事を考えることで、ビジネスマンの潜在的な成長に寄与するのではないでしょうか?

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まずは自ら触れ、体験する「大人の学び」

さて、縄文について学ぶなら、土偶や土器、遺跡を自ら発掘し、少しでも先人の息吹に触れることが一番。研究者たちは自ら身体を使って考え、想像の翼を広げていきます。なんと、ダイナミックでロマンあふれる学びでしょう!

pixta_18827644_M.jpgとはいえ、さすがに発掘は現実的ではありません。代わりに、縄文人の遺産を間近に見られる博物館へ足を運んでください。2018年9月2日までは、上野の東京国立博物館で『特別展「縄文-1万年の美の鼓動」(縄文展)』が開催されています。躍動感あふれ、神秘的な魅力に満ちた土偶や土器は、大いに想像力をかきたててくれます。

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結論は入手するのではなく自ら導く

スライド2.jpgそして、ぜひ縄文の研究者が書いた専門書を、開いてみてください。

厳密なファクトが積み上げられ、そこから重厚な理論が展開されていきます。おもしろおかしくはないかもしれませんが、日本語がわかれば理解はできます。

読み進めていくうちに、自分なりの仮説や結論を導くことができるでしょう。それは、限りなく楽しい学びの体験です。

縄文人の息吹きに触れ、その暮らしや社会を自分の中で再構築していくーー

そんな「大人の学び」を追体験できるコンテンツのひとつが専門書だと、私たちは考えています。

縄文で大人の学びを

山川出版社の専門書にもさまざまなレベルがありますが、比較的理解しやすいものを「考える本」シリーズに指定しました。「縄文の列島文化」も、ビジネスの場で要求されるスピーディな結論とは、ある意味対極にあるコンテンツです。
しかし、縄文視点を考えるマインドを持ったビジネスパーソンの皆さんには、大変良い機会を提供する一冊です。

考える本−1.png・日本列島人はいつどこからきたのか?
・天変地異、気候変動などが縄文文化に与えた影響
・宮古島の約七千年前からの漁労史・津波被害
・里山が育んだ縄文スピリット―――自然との共生、循環・再生・持続の哲学
・縄文里山とサケ漁の重要性―――「サケマス論争」
・列島各地の地域社会・定住を支えた物流
・死に係る考古学
(目次より編集部抜粋)

考えるプロセスを要求する本だからこそ、縄文への関心に火がついた「大人」の頭脳とハートをくすぐります。以下より、ぜひご購入ください。
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