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返抄(へんしょう)

古代~中世の受取書または領収書。本来は公式令(くしきりょう)に規定されたように,官司間の文書・物品・人物などの送納に際し受領側が発行するもの。8世紀後半から,四度公文(よどのくもん)に代表される諸国からの物品納入をともなう帳簿の監査の結果発行される領収書の意味が中心となる。官司間にかぎらず封物納付に際しても発行された。9世紀以後の律令財政変質のもと,一部分納入を証する返納返抄,日収や数年分をまとめた惣返抄などが出現した。10~11世紀には,調庸・封物納入の請負業者に発行される手形的要素もでてきて,売買の対象となる例もあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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