弁慶(べんけい)
生没 ?~1189.閏4?.- 平安後期の僧。源義経の郎従。武蔵坊と称する。「吾妻鏡」に名がみえるので実在の人物とみられるが,「平家物語」「義経記」などで虚構化されて伝えられ,実像は不詳。熊野別当が大納言の女を強奪して生ませた子で,鬼神のような怪力をもち,幼少から比叡山,四国霊場,播磨の書写山で修行した。寺を追われてのち京都に入って刀狩をしていたが,義経に清水観音境内(のち五条大橋として伝説化)で敗れて臣従。平氏追討・奥州逃避行に従い,各所で知略・怪力によって主君を助け,衣川(ころもがわ)合戦で殉死。以上は「義経記」による伝記だが,室町時代の謡曲・幸若舞(こうわかまい)・物語草子や,江戸時代の歌舞伎・浄瑠璃などでさまざまに脚色され流布した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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