版(へん)

儀式などで官人のたつべき場所を示した指標。儀制令によると,7寸四方,厚さ5寸の板に,漆でそこにたつ官人の品位などを書く(「延喜式」によれば,元旦朝賀には8寸四方のものが使われる)。この版で定められた位次を版位という。朝庭に常置されたもの(尋常版位)と,儀式の事前に中務(なかつかさ)省または式部(しきぶ)省がおいていくものがあり,後者には宣命使(せんみょうし)がたつ宣命版位がある。唐制では皇帝以下の版が規定されるが,日本では天皇の版はなく,皇太子以下のみ規定される。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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