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弁財船(べざいせん)

弁才船とも。中世末期から瀬戸内海を中心に発達し,近世中期以降,国内海運の主役として活躍した商船。名称の由来は不明。今日では千石船ともよぶ。船体は二形船(ふたなりぶね)などと同じ棚板構造で,水押(みよし)造の船首が特徴。船首に小さな補助帆である弥帆(やほ)を随時あげ,船体中央に大きな四角帆の本帆を張る。近世初期には漕帆兼用船だったが,遅くとも18世紀初期までに帆走専用船に転換され,北国船(ほっこくぶね)など他の有力な廻船を駆逐し,18世紀中頃には主力廻船の座についた。幕末期に洋式船が導入されると,洋式技術をとりいれて合の子(あいのこ)船として使われ続けた。地方的な特徴をもつ弁財船も多く,造船史上では北前(きたまえ)型弁財船といわれる日本海の北前船が有名。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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