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兵農分離(へいのうぶんり)

武士と百姓の身分・階級がはっきりとわかれること。中世から近世にかけて進行した実現過程や近世の制度をさすこともある。武士と百姓の身分自体は中世から存在したが,その区分はあいまいで,多くの武士は農業経営から遊離していなかった。豊臣秀吉の太閤検地により,土地に対する百姓の耕作権が公認されたが,そのことは同時に百姓身分が確定されたことを示し,武士は土地を耕作者とともに知行として与えられ,支配階級としての身分を保障された。この百姓の持高と武士の知行高がレベルの違いをもって二重に存在することが,兵農分離の最大の特質である。さらに秀吉は刀狩を行って百姓の武力を奪い,武士が城下町に集住したことなどと相まって,社会的体制として固定化した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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