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平治物語(へいじものがたり)

「平治記」とも。平治の乱の顛末を書いた軍記物語。3巻。「保元物語」と対になって残るものが多い。異本が多く,作者は諸本により異なる。原「平治物語」の成立は源家将軍の時代と推測されるが,「保元物語」の最古の写本が1223年(貞応2)であることから,なお流動的である。古い形態を残すテキストには鎌倉時代に成立した「平治物語絵巻」の諸本,陽明文庫本・学習院本(九条家旧蔵)がある。最も流布した金刀比羅本系の諸本は,年代記的な構成をとるものの,琵琶法師が語る語り物の性格が強く,史実を離れた内容の変更もある。「新日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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