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勧進能(かんじんのう)

勧進猿楽とも。寺社や道路・橋の造営・修復の費用調達のための能の興行形態。1317年(文保元)法隆寺惣社勧進八講に袈裟大夫参勤の記録が,勧進に猿楽が関与した早い例で,39年(暦応2・延元4)には紀伊国幡河(はたがわ)寺で勧進猿楽が催されている。1422年(応永29)丹波猿楽の矢田による伏見御香宮の楽頭職買戻しのための勧進猿楽のように,勧進の名を借りて座の収益のみを目的とした興行がみられ,室町末期にはそれがふつうとなる。江戸時代には田楽衰退を反映して勧進能と称し,江戸・大坂・京を中心に諸都市で勧進能が盛行し,とくに幕府や藩の後援で一生に1度許される一代能が盛大で有名。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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