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元慶の乱(がんぎょうのらん)

平安前期に出羽国でおきた戦乱。878年(元慶2)3月,出羽国の俘囚(ふしゅう)が蜂起して秋田城(現,秋田市)を急襲,城郭・郡院などを焼いた。出羽国は兵を派遣するが敗退。俘囚側は雄物川以北の地の独立を要求したが拒否されると,陸奥からの援兵を含め秋田城に集結した5000余の大軍を壊滅させた。新たに現地に派遣された出羽権守藤原保則(やすのり),鎮守将軍小野春風(はるかぜ)らは武力鎮圧策をとらず,俘囚側にも内部分裂があって,8月以降には俘囚側の降伏が続いた。これを好機として政府は翌年征討命令を下したが,保則らの反対で撤回。戦乱の原因は秋田城司の苛政であり,蜂起した俘囚軍には秋田城下の12村のほか津軽の俘囚らも加担したと推定される。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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