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川中島の戦(かわなかじまのたたかい)

戦国期,信濃国川中島周辺(現,長野盆地)で行われた武田信玄と上杉謙信の抗争。狭くは1561年(永禄4)の合戦をさすが,広くはこれを含め前後5回の抗争をいう。甲斐から北進して信濃制圧を狙う信玄と,越後の安全のためにこれを阻止しようとする謙信の衝突である。(1)53年(天文22)村上義清らが信玄に追われ謙信を頼ったため,謙信が信濃に出動し各所で交戦。この段階では武田勢力圏は長野盆地南端まで。(2)55年(弘治元)犀(さい)川をはさんで長期間対峙したが,今川義元の斡旋により双方撤兵。(3)57年信玄が葛山(かつらやま)城(現,長野市)を攻略したことから,謙信も信濃に出動,上野原(同市)で交戦。長野盆地は武田勢力圏に入った。(4)61年謙信は武田勢力の一掃を狙って出動,八幡原(はちまんばら)(同市)で衝突。信玄と謙信の一騎打があったといわれ,信玄の弟信繁が戦死するなど激戦だったが,信玄は謙信を撃退。(5)64年信玄が野尻(のじり)城(現,長野県飯山市)などを攻め,謙信は長野盆地に出動したが,両軍の交戦はなかった。以上の結果,上杉勢力は信越国境に追いつめられ,信玄は信濃をほぼ制圧,以後南進に転じた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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