1. 用語
  2. 日本史 -か-
  3. 河内国(かわちのくに)

河内国(かわちのくに)

畿内の国。現在の大阪府北東部から南東部。「延喜式」の等級は大国。「和名抄」では錦部(にしごり)・石川・古市・安宿(あすかべ)・志紀・丹比(たじひ)・大県(おおがた)・高安・河内・若江・渋川・讃良(さらら)・茨田(まんだ)・交野(かたの)の14郡からなる。「古事記」「日本書紀」に大化前代から国名がみえ,716~740年(霊亀2~天平12)の和泉監(いずみのげん)の分置後,和泉国が分立した。国府は志紀郡(現,藤井寺市)におかれ,国分寺・国分尼寺は安宿郡(現,柏原市)におかれたと推定される。一宮は枚岡(ひらおか)神社(現,東大阪市)。「和名抄」所載田数は1万1338町余。「和名抄」には調として銭のほか雑器を定める。早くから開発が進められ,渡来系氏族も多数居住し,大和盆地から西へ通じる交通の要衝として古代から重要な役割をはたした。平安中期以降に丹比郡から丹北・丹南,さらに中世に八上(やかみ)の各郡が分立。鎌倉時代には三浦氏・北条氏が守護となり,末期には楠木正成の根拠地であった。室町時代には畠山氏の領国となる。近世には丹南・狭山の2小藩のほかは国外諸藩領や寺院領となる。1869年(明治2)藩領以外の地は河内県とされ,71年すべての地が堺県となる。81年堺県は大阪府に編入された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう