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カルテル

生産制限・最低価格・販路・生産分野などの協定を通じて市場の安定をはかる独立企業間の組織。加盟企業の規模・生産性が均等でシェアが高いこと,実効力のある制裁規定を備えていることなどが成立の条件となる。1880年(明治13)の製紙連合会が先駆とされるが,同業組合的性格が強く,明確な市場規制は90年の紡績連合会の操業短縮活動が最初といえる。1920年代後半から鉄鋼・金属などの主要産業に普及し,重要産業統制法の制定をみた昭和恐慌期にはほぼ全産業に拡大した。第2次大戦中は政府の配給・価格統制を代行する統制団体の中心となる。戦後は独占禁止法制定により原則的に違法となったが,行政指導や適用除外立法を通じて多くの分野で形成された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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