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樺太(からふと)

サハリン。宗谷海峡を隔てて北海道の北に位置する長大な島。日本では松前藩が調査,アイヌとの交易などにあたったが,17世紀末には江戸幕府も探検を始め,1808年(文化5)間宮林蔵がシベリアとの間に海峡(間宮海峡)を確認した。同時期にロシアの進出も積極化し,両者の利害衝突も生じた。1855年2月(安政元年12月)の日露通好条約で樺太は「界を分たず」とされたが,さらに雑居化が進んだため,75年(明治8)樺太・千島交換条約で日本は樺太を放棄した。その後日露講和条約で北緯50度以南を領有,1920年(大正9)尼港(にこう)事件を理由に北樺太も保障占領した。45年(昭和20)8月ソ連が占領,翌年併合,51年のサンフランシスコ講和条約で日本は正式に千島と樺太を放棄した。日本の占有期には,漁業,製紙パルプ工業や石炭・石油採掘が行われ,日本人約40万人が在住。現在も主要産業としてひきつがれている。現在はロシア連邦サハリン州,州都はユジノサハリンスク(旧豊原)。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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