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加波山事件(かばさんじけん)

1884年(明治17)9月,福島・栃木・茨城の3県の急進派自由党党員が政府転覆を企て茨城県加波山で蜂起した事件。はじめ福島・栃木両県令兼務の三島通庸(みちつね)の暗殺を謀り,また東京で開かれる新華族の授爵祝賀会で大臣顕官暗殺を計画したが会が延期となり,いずれも実現しなかった。9月宇都宮で開かれる栃木県庁落成式に多数の政府高官が出席するのを知り,再び襲撃を計画。茨城県真壁下館(まかべしもだて)の有為館館長富松正安(とまつまさやす)なども引き入れて準備を進めたが,警察に察知され,追い詰められた富松ら16人が加波山で蜂起。真壁町(現,桜川市)町屋分署などを襲撃したがまもなく四散,関係者全員が捕縛され,国事犯ではなく常事犯として死刑7人を含む重刑に処せられた。参加者に福島事件関係者が多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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