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鹿子木荘(かのこぎのしょう)

「かなこぎのしょう」とも。肥後国飽田郡にあった仁和寺領荘園。荘域は熊本市北部にあたる。鹿子木高方(たかかた)が祖父沙弥寿妙(しゃみじゅみょう)の開発した私領に対する国衙(こくが)の圧迫からのがれるため,1086年(応徳3)所領を大宰大弐藤原実政に寄進。実政の外孫の藤原隆通(願西(がんさい))は国衙の圧迫を排除できなかったので,実政以来相伝してきた得分の半分を,1139年(保延5)高陽院(かやのいん)内親王に寄進。この頃正式に立荘され,高陽院内親王を本家,願西を領家とする皇室領荘園鹿子木荘が成立。その後本家職は美福門院により仁和寺に寄進された。鎌倉時代には地頭の大友庶家詫摩(たくま)氏の勢力が伸長し,室町時代に荘園の実態は失われた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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