小林多喜二(たきじ)の中編小説。1929年(昭和4)「戦旗」5・6月号に分載。同年戦旗社より刊行。オホーツク海へ出漁する蟹工船の過酷な労働のなかで,労働者が集団として自覚し団結して立ちあがるさまを,背後の国際関係・財閥・帝国軍隊との緊密なつながりを浮かびあがらせつつ描いた。発表当初からの度重なる発禁にもかかわらず広く読まれ,プロレタリア文学をこえて一般の文壇からも高い評価をうけた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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