春日局(かすがのつぼね)
生没 1579~1643.9.14 3代将軍徳川家光の乳母。明智光秀の重臣斎藤利三(としみつ)の女。母は稲葉通明の女。名は福。父利三が山崎の戦で没したため母方に身を寄せ,のち稲葉正成の後妻となり,4男を生む。1604年(慶長9)家光の誕生にともない,その乳母となる。家光・忠長の世嗣争いの際に,徳川家康に訴えて家光の世嗣決定をみた話は有名。徳川秀忠の御台所崇源院没後は大奥を統率した。29年(寛永6)秀忠の内意により上洛。武家伝奏三条西実条(さねえだ)の猶妹(ゆうまい)となり,後水尾(ごみずのお)天皇の譲位問題にゆれる宮中に参内し対面,春日局の名を賜る。影響力は幕府内外に及び,その縁故で出世した者も多い。また江戸湯島に天沢寺を建立。34年子の稲葉正勝没後,麟祥院と称した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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