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貸本屋(かしほんや)

料金をとって本を貸し出す商人。木版印刷の普及により庶民相手の小説・実用書・娯楽読物が出版されはじめる寛永頃に出現した行商本屋がその始まり。売本も兼業した。大衆が娯楽本を読む場合,購読よりも貸本屋や行商本屋に見料(損料)を支払って借りるのが一般的で,江戸後期に全盛となった。貸本屋を営むには本人が本屋仲間に加入するか,本屋仲間加入者を世利親(よりおや)とし,その世利子(よりこ)となる必要があった。1808年(文化5)江戸では12組,世話役33人,総数656人が貸本屋を営業している。本問屋から仕入れた本を風呂敷に包み,家々を回る個人的行商が一般的な営業形態であった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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