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加地子(かじし)

(1)11世紀半ば以降に私領主が収取した段別1斗程度の得分。律令制下の公出挙(くすいこ)利稲分がのちに土地税(正税)へと変化し,それが私領主に対して免除されて加地子が出現した。この加地子は官物減免分そのもので,百姓の負担総量に変化はない。領主加地子は,荘園公領制の成立にともなって荘園年貢に組み込まれることが多かった。(2)13世紀以降に作手(さくて)・永作手所有者が作人から取得した得分。紀伊国などでは片子(かたこ)ともよばれた。小作形態から生じる場合のほか,百姓が負債解消のために自己の田畠を質入れし,毎年支払う返済料が加地子となることもあった。加地子額は土地売価の7分の1程度だったが,中世後期には本年貢を大きく上回るようになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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