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加持祈祷(かじきとう)

おもに世俗的な願望の成就を目的に神仏に対して行われる密教の呪術的行為をいう。本来,加持と祈祷とは別義で,加持は加護の意で仏菩薩が人々を守り加護することを意味したが,とくに密教修法上の作法をいい,行者が手に諸仏諸尊の印契(いんげい)を結び(身密(しんみつ)),口に真言を唱え(口密(くみつ)),心も仏の心境に住する(意密)ことで,仏の三密と行者の三業(さんごう)が一体になると説いたことから,転じて密教で行う修法を意味するようになった。密教の隆盛した平安時代以降,もっぱら経文などの読誦(どくじゅ)により神仏に祈って利益(りやく)を期待する祈祷と同一視され併称されるようになった。日蓮宗も盛んに行い,修験者も積極的にとりいれたため,民間に深く浸透した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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