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笠懸(かさがけ)

馬上の射技の一つ。本来射手(いて)の笠を懸けて的としたための呼称で,馬上から遠距離の対象を射る訓練を目的とした。流鏑馬(やぶさめ)よりも略式で行われ,装束も烏帽子(えぼし)・直垂(ひたたれ)に行騰(むかばき)だけで,矢も雁股(かりまた)の鏃(やじり)を抜いた鏑矢(かぶらや)を用いた。正式の馬場は直線1町(弓杖51杖)。走路を疏(さぐり)とよび,馬場本から弓杖33杖,疏から8杖の距離に的を立てた。疏を逆行して馬手(めて)側の小的を射ることを小笠懸,通常の笠懸を遠笠懸とよぶ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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