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勘解由使(かげゆし)

官人の交替事務を監査する令外官(りょうげのかん)。797年(延暦16)設置,806年(大同元)に廃止され,824年(天長元)再置。長官1人・次官2人・判官3人・主典3人の四等官構成。当初は奈良後期の交替政策の整備再編をめざし,「延暦交替式」の編纂を主務としたとする説が強い。再置後は,解由制が内外官に拡大された事態を前提とし,不与(ふよ)解由状の審査(勘判)を主要な任務とした。一方「貞観交替式」「延喜交替式」を編纂し,交替関係の法的整備も進めた。「勘解由使勘判抄」は勘解由使勘判の実態を示す。945年(天慶8)以後は,主計・主税2寮の勘文と並んで勘解由使勘文が受領功過定(ずりょうこうかさだめ)に利用され,交替監査よりも功過判定へと機能を傾斜させた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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