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河海抄(かかいしょう)

南北朝期の「源氏物語」注釈書。20巻。1360年代初頭,のちの従一位左大臣四辻善成(よつつじよしなり)が将軍足利義詮(よしあきら)の命により著す。本文に「物語博士源惟良撰」とあるが,光源氏の乳兄弟の惟光と腹心の家臣良清の名から作ったもの。書名は「和漢朗詠集」の「河海不厭細流,故能成其深」から,諸説を集めた意による。初期の代表的源氏注釈書で,引用された文献には,今日すでに散逸したものも少なくない。巻頭に「源氏物語」の成立事情・準拠・諸本・紫式部伝のほか,後代和歌への影響が解説される。玉上琢弥編「紫明抄・河海抄」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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